クーリング・オフが使える契約と、使えない契約
日数は取引の型ごとに決まっていて、通信販売にはこの制度そのものがありません。学びのサービスがどこに当たるかを、表で分けました。
クーリング・オフは、どの契約にも付いてくる権利ではありません。特定商取引法が決めた取引の型に当たるときだけ、決められた日数のあいだ使えます。
学びのサービスでよく問題になるのは、教室で申し込んだのか、ウェブサイトで申し込んだのかという違いです。同じ講座でも、申し込み方によって使える制度が変わります。
日数は取引の型で決まる
| 取引の型 | 日数 | 学びのサービスでの例 |
|---|---|---|
| 特定継続的役務提供 | 8日間 | 語学教室・学習塾・家庭教師・パソコン教室の契約 |
| 訪問販売 | 8日間 | 自宅や職場を訪ねて申し込ませた教材の販売 |
| 電話勧誘販売 | 8日間 | 電話をかけて申し込ませた講座の契約 |
| 通信販売 | 制度なし | ウェブサイトの申し込みフォームからの購入 |
この表に入らない型が、ほかに2つあり、そちらは20日間です。学びのサービスとは仕組みが違うため、この資料では扱いません。
通信販売には制度そのものがない
ウェブサイトから申し込んだ場合は、クーリング・オフではなく「返品特約」の話になります。事業者が広告に返品の条件を書いていれば、その条件のとおりに扱われます。
返品についての表示がまったくない場合は、商品を受け取った日から8日以内なら返品ができます。この場合の送料は、購入した側が負担すると法律に書かれています。
ただし、ウェブから申し込んだ講座でも、期間と金額が特定継続的役務の条件を満たせば、そちらの決まりが働きます。申し込み方だけで決まるわけではありません。
数え始める日と、出し方
日数は、法律で決められた書面を受け取った日を1日目として数えます。契約した日ではなく、書面を受け取った日が起点になる点が、間違えやすいところです。
出し方は書面のほか、電子メールやウェブのフォームなど電磁的記録でもできます。2022年6月1日に施行された改正で加わった方法です。
クーリング・オフをした場合、違約金や損害賠償を求められることはありません。すでに支払ったお金は返され、商品の引き取りにかかる費用は事業者の負担になります。
妨げられたときは期間が進まない
事業者が事実と違うことを言ったり、威圧してクーリング・オフをさせなかった場合、8日を過ぎても権利は残ります。あらためて正しい説明の書面を受け取るまで、期間は進みません。
書面を受け取っていない場合も同じで、起点となる日がまだ来ていない状態です。どの日に何を受け取ったかを残しておくと、この判断がしやすくなります。
出したことを残しておく
クーリング・オフは、通知を出した時点で効きます。届いた日ではなく、出した日が基準になるため、いつ出したかが分かる形にしておくと確かめられます。
郵便なら、差し出した記録が残る方法があります。電子メールやウェブのフォームで出した場合は、送信の控えと、画面の写しを残しておく形になります。
通知には、契約した日、商品や役務の名前、契約した相手の名前、解除する意思を書きます。決まった様式はなく、これらが分かれば足ります。
特定商取引法 第9条・第24条・第48条(クーリング・オフ)、第15条の3(返品特約)(e-Gov法令検索/2026年9月2日に確認)
消費者庁「特定商取引法ガイド ── クーリング・オフ」(2026年9月2日に確認)
電磁的記録による通知は、令和3年改正法(2022年6月1日施行)で加わりました。
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