「無料体験」の広告に書かれるべきこと
無料と書いてよい場面と、条件を近くに書かなければならない場面は、景品表示法と特定商取引法で分かれています。
無料体験や無料カウンセリングの広告は、それ自体が問題になるわけではありません。問題になるのは、無料で受けられる範囲の条件が、読む人の目に入らない場所にある場合です。
ここでは、事業者が広告に書かなければならない項目と、書き方について決まっていることを、条文の側から並べます。どの講座が良いかという話は扱いません。
通信販売の広告に必要な項目
ウェブサイトで申し込みを受ける形は、特定商取引法の通信販売に当たります。第11条が、広告に表示しなければならない項目を並べています。
- 販売価格(送料が要るときは、その額も)
- 代金の支払時期と支払方法
- 商品の引渡時期、役務を提供する時期
- 申込みの撤回や解除に関すること(返品の条件)
- 事業者の氏名または名称、住所、電話番号
申し込みの最終確認画面についても、第12条の6が表示すべきことを決めています。分量、価格、支払の時期、引渡しの時期、撤回や解除に関することの5つです。
「無料」と書けるのはどこまでか
景品表示法の第5条第2号は、実際より著しく有利だと誤解させる表示を禁じています。無料の範囲に条件が付くのに、その条件が伝わらない書き方は、この規定に触れる可能性があります。
条件を打ち消す文は、本文から離れた場所や、極端に小さい文字で書くと役に立ちません。読む人が本文と一緒に読み取れる場所にあることが求められます。
| 見るところ | 確かめること | 根拠 |
|---|---|---|
| 回数と時間 | 無料なのは何回までか、1回あたり何分か | 景表法 第5条 |
| 自動で続くか | 体験のあと、有料の契約に自動で移るか | 特商法 第11条 |
| やめ方 | やめる方法と、いつまでに伝えるか | 特商法 第12条の6 |
| 別に要るお金 | 教材費・入会金・機器の代金が別に要るか | 景表法 第5条 |
教室の契約なら書面が先に来る
期間と金額の条件を満たす教室の契約では、契約の前に概要書面を渡すことが第42条第1項で義務づけられています。無料体験のあとに契約へ進む場合も同じです。
概要書面には、役務の内容、金額、支払の時期と方法、解除に関することが書かれます。広告で見た条件と書面の中身が違うときは、書面のほうを基準に確かめます。
広告であることの表示
事業者から依頼を受けて書かれた記事は、広告であることを表示する必要があります。2023年10月1日から、景品表示法の指定告示として定められました。
表示は、読む人がその場で分かる位置に置くことが求められます。ページのいちばん下に1行だけ置く形は、位置として弱いと考えられます。
体験のあと、契約に進むときの順番
無料体験そのものは契約ではありません。そのあとに有料の契約へ進むときに、書面の交付や解除の決まりが働きはじめます。
その場で申し込むよう求められた場合でも、概要書面を先に受け取って読むことはできます。書面の交付は事業者の義務として決められています。
体験の当日に決めなくてよいかどうかは、キャンペーンの期限とは別の問題です。期限で判断を急がせる書き方は、条件の表示として確かめる対象になります。
特定商取引法 第11条(通信販売の広告表示)・第12条の6・第42条(e-Gov法令検索/2026年9月2日に確認)
景品表示法 第5条第2号(有利誤認)および指定告示(2023年10月1日)(消費者庁/2026年9月2日に確認)
この記事は、事業者の個別の広告について良し悪しを判定するものではありません。
ここに広告を置きます。広告が入っても、記事の順番や書いてある内容は変えません。