「合格率◯%」を、どこまで信じられるか
同じ講座でも、分母の取り方を変えると合格率は大きく動きます。数字を見るときに確かめる4か所と、根拠資料の提出を求められる仕組みを並べます。
合格率は、割り算の結果です。分子を合格者の数にするところは共通していても、分母に何を置くかは表示する側が決められます。ここが変わると、同じ実績でも数字は動きます。
たとえば分母を「申し込んだ人」にするか「試験を受けた人」にするかで、率は変わります。受けなかった人を分母から外せば、率は必ず上がります。
分母に何を置いたかを先に見る
| 確かめること | 変わってくるもの | どこに書いてあるか |
|---|---|---|
| 分母の範囲 | 申込者か、受験者か、修了者か | 数字のそばの注記 |
| 期間 | 何年度の試験の数字か | 同上 |
| 対象 | 講座全体か、一部のコースだけか | 同上 |
| 比べる相手 | 全国の合格率が同じ年度の数字か | 実施団体の公表資料 |
この4つのうち1つでも書かれていない数字は、他の数字と並べて比べることができません。比べられない数字は、選ぶための材料になりません。
根拠を出せない表示は誤認とみなされる
景品表示法の第7条第2項は、優良だと誤認させる表示の疑いがあるとき、事業者に合理的な根拠を示す資料の提出を求められると定めています。
求められてから15日以内に資料が出されない場合、その表示は優良誤認表示とみなされます。表示した側が、根拠を持っていることを示す仕組みです。
優良誤認と判断されると、措置命令や課徴金納付命令の対象になります。課徴金は、対象の期間の売上額の3%です。
ただし、その売上額が5,000万円に満たない場合や、計算した課徴金が150万円に満たない場合は、課されません。金額の条件は法律に書かれています。
実施団体の数字と突き合わせる
多くの試験は、実施団体が受験者数と合格者数を公表しています。講座の広告に出ている率は、この公表値と同じ年度で並べると、位置が分かります。
全国の合格率が示されていないときは、実施団体の公表資料を自分で開いて確かめられます。試験の名前と年度で探せば、たいていは統計のページに行き着きます。
Fig.|分母を変えると、同じ実績でも率が動く(100人が申し込み、80人が受験、40人が合格した場合)
このサイトが率を出さない理由
このサイトには、講座ごとの合格率を集めた表を置いていません。分母の取り方が講座ごとに違い、同じ条件に揃えて並べることができないためです。
代わりに、数字を見るときの確かめ方と、根拠を求められる仕組みを書いています。数字そのものは、実施団体と講座の公表資料で確かめるのが確実です。
統計は、自分の結果を約束しない
合格率は、過去に受けた人たちの集まりについての数字です。これから受ける1人の結果を示すものではありません。
同じ講座でも、学習に使える時間や、前に学んだ内容によって進み方は変わります。率が高いことと、自分がそこに入ることは別の話です。
それでも数字を見る意味はあります。分母の取り方と期間がそろっていれば、講座の実績を並べて位置を知る材料になります。
景品表示法 第5条第1号(優良誤認)・第7条第2項(不実証広告規制)・第8条(課徴金)(e-Gov法令検索/2026年9月2日に確認)
消費者庁「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」の解説ページ(2026年9月2日に確認)
図に使った人数は、割り算の説明のために置いた数で、実在の講座の実績ではありません。
ここに広告を置きます。広告が入っても、記事の順番や書いてある内容は変えません。